1. ジャニ-喜多川は、2019/7/9死亡、メリ-喜多川は、2021/8/14死亡で、藤島ジュリ-景子は双方から特例事業承継税の適用を受けていると考えられる。遅いほうの相続からは、相続税申告期限2022/6/14、相続事業承継期間2022/6/15-2027/6/14と考えられる。

  2. 文春では、納税猶予相続税額約860億円とされている。

  3. すでに事業承継期間に入っているので、藤島ジュリ-景子が代表取締役を辞任した場合、措法70の7の2 第3項第1号に該当し、全額期限確定となり、辞任の日から2月以内に860億円全額納付となる。

  4. しかし、本件の様に過年度の債務が発覚し、企業価値が下落する場合に、これはかなり過酷なものとなる。

  5. 事業承継税制は、このような企業価値下落に際しての救済として、事業承継期間経過後においては、(1)平成25年改正において、民事再生特例(民事再生時の時価により納付相続税額を再計算する)が創設され、(2)平成30年改正に際して、MAの場合の減免特例(実際のMA価額により納付税額を再計算する)があるので、今後これらの適用が考えられるのではないか。

  6. これらの適用は2027/6/15以後なので、それまでの期間は、代表取締役のまま、企業従業員の雇用確保要件を維持するしかないのではないか。