• 遺留分侵害額の請求は、第1段階は権利行使を宣言する

  • 第2段階で遺留分権利者と受贈者等は、対象株式等の評価に基づき、金額の合意を目指す
  • 金額の合意ができた時が、支払期限の合意に努めるが、その合意ができないとき、遺留分権利者を相手方として、期限の付与の裁判を求める
  • 金額の合意ができない場合、遺留分権利者は、金銭請求訴訟を起こし、受贈者は反訴に応じ、この反訴で、期限の付与も求める
  • 民法相続法においては、遺留分権利者の権利行使によって、新たな相続財産が生じるわけではないが
  • 相続税法においては、受贈者等においては、相続税法32条3号において

  • 「三 遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと。」により支払額はマイナスの相続財産となり
  • この金銭の額の確定とは、当事者の合意又は訴訟上の決着が考えられます
  • 遺留分権利者は、相続税法31条により修正申告の提出ができるので、受取額は、相続税法上はプラスの相続財産として申告する
  • この場合、通常は支払額を、そのもととなる株式等の評価額に置き換えて、受贈者と遺留分権利者は、同額のマイナスとプラスの申告をし、当初申告の相続税総額は不変であるが、負担する相続税は受遺者において減少となり、遺留分権利者においてプラスとなる
  • 受贈者と遺留分権利者が受贈財産について現物返還の合意をすることもできる
  • この場合、改正民法相続税法の下では、相続税法の処理は金銭の場合と同様であるが、受贈者側においては、所得税法上譲渡所得が生じる
  • 遺贈財産について現物返還合意をなす場合は、遺贈の放棄及び協議分割の合意としてとらえることが可能であり、この場合、譲渡所得の問題はないと考えられます
  • 「四 遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があつたこと。」