税務の要点
  • 株式交付対価交換比率
次のようになる。
(1)金銭交付がない場合(株式交換の株式交換比率の作成と同じ)
株式交付子会社株式1株時価
株式交付親会社株式1株時価
  • 金銭交付ある場合は、
    • 交付する親会社株式の1株時価から交付金銭を決める。
例えば混合対価割合(1-株式交付割合)=20%の場合、1株株式交付親会社株式の25%相当額の金銭となる。この25%相当額を上限として任意の金額を決定できる。
この場合、措法66条の2の2で規定する株式交付割合=80%となる。
  • 交付する親会社株式との対比で混合対価割合が決定されると、株式交換と同様に対価(株式+金銭)について子法人株式1株当たりの交換割合を決定する。
対価の交換比率=
株式交付子会社株式1株時価
株式交付親会社株式1株時価+金銭
以上(1)、(2)のいずれにおいても、株式交換等と同様に会社法234条の1に満たない端数が生じる場合がある。
混合対価割合=20%とした場合に、端株が生じる株主においては、譲渡株主としては譲渡対価における金銭受領割合が20%を超える。
この株式交付割合80%又は混合対価割合20%というのは、会社法の株式交付計画で定めた譲渡株主に割合的に交付される金銭をいうものと考えるので端株が生じても譲渡株主全員が譲渡所得課税の課税繰延をうけるものと考えられる。
この場合は、現行法基通1-4-2と同様の取扱いと考えられる。(今後の通達改正で確認が必要)
  • 株式交付計画において決定された株式交付割合
株式交付割合は次の事項に影響する。
  • 株主の譲渡対価(措法66の2の2、法人税法61条の2第1項)
  • 株主の完全親法人株式取得価額(措令39の10の3第3項第1号、法令119条)
  • 株式交付親会社の株式交付子会社株式の取得価額(措令39の10の3第4項第1号、第2号、法令119条)
  • 株式交付親会社の増加資本金等の額(措令39の10の3第4項第3号、法令8条)
  • 株主の譲渡対価と譲渡原価
譲渡収入金額(譲渡対価)
1株帳簿価額*譲渡株数*株式交付割合+金銭(この金銭は株式交付計画で定められた金銭の他に端株がある場合の金銭も含む)
譲渡原価
1株帳簿価額*譲渡株数
  • 譲渡株主の株主交付親法人株式取得価額
譲渡株主の親会社株式取得価額(交付金銭なし)
子法人株式取得価額
譲渡株主の親会社株式取得価額(交付金銭あり)
子法人株式取得価額*株式交付割合
(5)株式交付親会社の株式交付子会社株式の取得価額(金銭交付なし)
譲渡株主50人未満
子法人株主取得価額
譲渡株主50人以上
前期末簿価純資産(資本金等の額の増減は加算減算)*取得株主数/発行済み株式数(自己株式除く)
  • 株式交付親会社の株式交付子会社株式の取得価額(金銭交付あり)
譲渡株主50人未満
子法人株主取得価額*株式交付割合 +交付金銭
譲渡株主50人以上
前期末簿価純資産(資本金等の額の増減は加算減算)*取得株主数/発行済み株式数(自己株式除く)*株式交付割合 ∔交付金銭
(7)株式交付親会社の増加資本金等の額((6)株式交付親会社で子会社株式の取得価額 -金銭)
譲渡株主50人未満
子法人譲渡株主取得価額*株式交付割合
譲渡株主50人以上
前期末簿価純資産(資本金等の額の期中の増減は加算減算)*取得株主数/発行済み株式(自己株式除く)*株式交付割合