株式交換、合併、分割型分割等は贈与前に完了したい

グル-プ内の100%子会社の合併などはいつでもいい、承継期間後は、新株交付となる場合、切替確認での50%超要件、筆頭要件をにらんで検討する。

事業承継税制と組織再編成 承継期間内 承継期間後
組織再編成 分割型分割 全部期限確定 株式交付も一部期限確定
承継期間内措置法適格認定会社間合併・株式交換 後継者に現金交付があれば一部期限確定 左の期間内に限られている
被合併法人となる場合 措置法適格以外全部期限確定 後継者が受領する現金交付のみが一部期限確定
株式交換完全子法人となる場合 措置法適格以外全部期限確定
組織変更 代表者金銭交付は全部期限確定
解散 全部期限確定
資本金及び資本準備金の減少による資本剰余金の増加 全部期限確定

被合併法人となる場合及び株式交換完全子法人となる場合は、担保を解除し、1月以内に適用継続申請書を提出し、かつ2月以内に取得した完全親法人株式を担保として提供する。この場合に同族50%超要件と同族内筆頭株主要件は直ちには問われないが、切替時には問われるので、実務的にはレアなケ-スである。

合併法人や、株式交換完全親法人となる場合は、新株発行と同様で、特に問われないが、切替時の同族50%超要件及び同族内筆頭要件が問われることに注意が必要である

これに対して、分割型分割はきびしく、株式のみ交付であっても、株式の一部譲渡と同じ扱いがされている

参考条文措令40の8 34項、35項

34 対象受贈非上場株式等(法第七十条の七第六項本文の規定により担保として提供されたものに限る。)に係る認定贈与承継会社について合併(合併により当該認定贈与承継会社が消滅する場合に限る。)、株式交換その他の事由(以下この項及び次項において「特定事由」という。)が生じ、又は生ずることが確実であると認められ、かつ、その提供された担保の全部又は一部を解除することがやむを得ないと認められる場合において、当該対象受贈非上場株式等に係る経営承継受贈者が当該特定事由が生じた後遅滞なく対象受贈非上場株式等の全部又は一部を再び担保として提供することが確実であると見込まれるときは、税務署長は、当該経営承継受贈者の申請に基づき、その提供された担保の全部又は一部を解除することができる。この場合において、同条第六項ただし書の規定の適用については、次に定めるところによる。

一 当該担保の解除は、なかつたものとみなす。
二 当該経営承継受贈者が、対象受贈非上場株式等の全部又は一部について、当該特定事由が生じた日から二月を経過する日(当該経営承継受贈者が同日までに再び担保として提供することができないことにつき税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、税務署長の指定する日)までに再び担保として提供しなかつた場合には、同日において国税通則法第五十一条第一項の規定による命令に応じなかつたものとみなす。
35 前項の申請は、特定事由が生じた日から一月を経過する日までに、同項の対象受贈非上場株式等について同項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した申請書に財務省令で定める書類を添付したものをもつてしなければならない。